天安門事件を回顧する報道中で興味を引かれたのが、この記事。
Tiananmen killings: Was the media right?(BBC)
当時の事件の報道に当たったJames Miles記者による記事です。天安門事件を英語ではTiananmen massacre といいますが、この表現は以下の点で事件の性質を正しくあらわしていないと指摘します。
1.massacre(虐殺)という点では、天安門周辺に限ればほとんどなかった
2.当時のデモンストレーションが天安門周辺に閉じ込められていたわけでなく、
広い範囲に及んでいた。
1.を補足すると、北京という広がりで見れば虐殺があったという点に異論はなく、「天安門」という狭い範囲に限定した名称がよろしくないという議論です。
「虐殺はなかった」「まぼろしだった」と主張するリビジョニストのおなじみの論法がありますが、Tiananmen massacreという名称ゆえに、「天安門では虐殺はなかった」「天安門事件はなかった」という議論を招かないように、当時の状況をあらためてただしく伝えようというのが記事の趣旨です。
ついでながら。事件を当時のビデオや音声で振り返ったこの記事もお勧めです。
Timeline: The Tiananmen protests(BBC)
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