2011年11月25日金曜日

イスラム神秘主義

タリバンによって閉鎖されていたイスラム教寺院が、再び信者を迎え入れるようになった、というニュース。

'Banned' shrines reopen in Pakistan

こんがりそうな話がいくつかあるので、整理すると……。

・場所はパキスタンのスワットバレー(スワット渓谷)。
オサマ・ビンラデンがパキスタン北部で米軍に殺されたように、パキスタン・アフガニスタンの国境地域というのは、部族の力が強く、パキスタン政府の力はあまり及んでいないのですね。

・タリバンが閉鎖したイスラム教寺院
この寺院はイスラム教でもスーフィー宗派のもので、タリバンの観点からは「異端」になるわけです。

Their(*) ideology was a departure from the Islamism of the anti-Soviet mujahideen rulers they replaced who tended to be mystical Sufis, traditionalists, or radical Islamicists inspired by the Muslim Brotherhood (Ikhwan).[Taliban - Wikipedea]

Their: タリバンを指す

反ソ主義のムジャヒディーンはイスラム教でも神秘主義のスーフィーに傾きがちであった。彼らにとって代わったタリバンのイデオロギーは、ムジャヒディーンのイスラム主義とは異なり、イスラム同胞団の影響で伝統主義的・イスラム原理主義的であった。

ちなみに、コーヒーが世界に広がるきっかけとなったのはスーフィーの人たちで、徹夜で祈りをささげる際、眠気を覚ますのによい、ということでコーヒーを飲み始めたのです。
アラビア商人の活動でコーヒーはイスラム圏を超え、ヨーロッパにも伝わり、今日に至る(※)わけです。

  ※コーヒーが廻り世界史が廻る―近代市民社会の黒い血液 (中公新書)

2011年11月24日木曜日

ハチ公

中国。飼い主の墓の前から動かない忠犬の話。

Chinese dog refuses to leave dead owner's graveside

哀れに思った近所の人たちは、墓のそばに犬小屋を建ててやろうと考えている、とか。

2011年10月17日月曜日

海賊たちの時代

 「ゼロックスは宝の山の上に眠っていた」というのは、スティーブ・ジョブズのことば。
 その宝の山というのが、パロアルト研究所が生み出したGUI(Graphical User Interface)なのだが、まずは動画をご覧あれ。

     Xerox Star User Interface (1982) 1 of 2
     Xerox Star User Interface (1982) 2 of 2

 知識としては知っていましたが、こうして動画で見ると本当に初期のマックOSみたいなインターフェースです。
 若き日のジョブズ氏はマッキントッシュ開発チームに海賊旗を掲げさせたそうだが、マックはゼロックスの海賊版なのか、と突っ込みたくもなりましょう。

 今日の目で見ればあまりほめられた話ではないのですが、新しいものが形になっていく時代には混沌がつきもの、とも思うのですね。

2011年10月15日土曜日

原産地は?

"Designed in Scotland" のタグがついた The Edinburgh Woollen Mill(イギリスのアパレルチェーン)のカシミア・セーターだが、その原産国は明示されていない。

Edinburgh Woollen Mill clothes made by North Koreans

原産地はウランバートル(モンゴル)の工業団地。で、実際に生産に携わっているのは北朝鮮人。
賃金は労働者に対してではなく北朝鮮政府に対して支払われており、国家としての外貨稼ぎになっている。(会社側は直接労働者の銀行口座に送金していると主張しているが……)

ちなみに、原産地を表示しないこと自体はイギリスの法律上、問題はないが、原産地を消費者に誤認させることは犯罪(offence)となりうる。

There is no legal requirement to label clothes with their country of origin, but it is an offence to mislead customers about where a product is made.

2011年10月9日日曜日

さよなら、ジョブズさん

タイム誌の表紙になったこの写真を紹介しておきたくて。

Time's Steve Jobs Cover

こんないい顔をしていた元若者が亡くなったんだと、残念に思っています。

以前に記事にも書いたのですが、私は一応 Ipod Touch のユーザーです。

マイクロソフトのMS-DOSや、Macが広がりだした時期と、自分の青春時代が重なっているので、80年代のパソコン界の巨人にはいまだに敬意と親近感があります。

年齢的にも、ジョブズ氏の方が10歳ぐらい上というところで、若すぎる死だと感じています。

----
記事を書いた後で見つけたビデオです。

Jobs launches Apple Mac in 1984

2011年9月16日金曜日

禁煙

 オランウータンはマレー語で直訳すると「森の人」を意味するのですが、少々人間っぽすぎるようです。

 マレーシアの動物園で飼われていたオランウータン・シャーリーは、客が投げ込んだタバコを吸ってニコチン中毒になってしまったようです。(動物園側は単に人間のまねをしているだけで、中毒ではないと主張しているようですが)

   Malaysia: Shirley the orangutan 'weaned off smoking'

 現在は別の動物園に移されて、禁煙中です。

人大杉

 中国発。
 警官が「定員オーバー」の疑いで止めたワゴン車には、66人の児童が乗っていたという。

    Video:Van overloaded with 66 children in China

 4~5歳児ということなので、幼稚園の送迎バス代わりにワゴン車を使っていたのだと思います。
 本来8人乗りのワゴン車の後部座席を取っ払い、ベンチを並べてこれだけの人数の子どもを収容していたそうです。(ビデオに映っています)

 警察は、子どもたちを送り届けるために12台のワゴン車を動員したそうな。

 ちなみに、別の報道(Chanel News Asia(シンガポール)…NHK BS の World Waveで放送)では、64名のこども+2名の大人 となっているのですが、どちらが正しいのでしょうかね。
 ってか、大人の1名は運転手だし、保母さんらしき人が映像にも映っているので、Chanel News Asia の方が正しいと思うんですけど…。

2011年8月20日土曜日

為人民服務

 中国に新任した米ロック大使の写真が中国国内で話題を呼んでいる。

   China debate over US envoy's coffee run
 
 大使ともあろう方なら当然にカバン持ちもつれてそうなものが、大使が自分の荷物を背負って自分と子供のコーヒーを注文しているのが驚きなのだそうだ。

 同じく、米バイデン副大統領は中国高官との会談後、高級中華ではなく近所のふつうの中華料理店で食事をしたことが話題に。これまた中国基準としては驚き。

In China even a township chief, which is not really that high up in the hierarchy, will have a chauffeur and a secretary to carry his bag (BBC記事中の China Dairy からの引用)

 Township Chief というのがよくわからないのだが、どうも市長程度のもののようだ。

American officials are to serve the people, but Chinese officials are served by the people, that's the difference (BBC記事中の Sina.com からの引用)
 
 さすがにアメリカを美化しすぎの気もするのだが、これは春秋の筆法ってやつかもしれぬ。

2011年8月11日木曜日

踊るニンジン

 プロポーズを盛り上げるために、いろいろなことをする人がいるようですが、これはその中国版。

 ニンジンのぬいぐるみを着て踊る集団の中から出てきた1人が、女性の前でぬいぐるみを脱ぎプロポーズをした。

 "Six months ago I met you. I still remember your shyness on our first date, my longing for the next date, and my excitement the first time I held your hand at the movie theatre."
 
 かなり恥ずかしいのですが、ほほえましくもあるので、訳しておきます。

 「6か月前に君と出会った。初めてのデートでの君の恥じらい、2度目のデートを僕が待ち焦がれた気持、そして映画館で初めて君の手を握ったときの胸の高鳴を、今でも忘れられない」

 これじゃ、中学生のデートですね。
 
 周囲の人たちが "Merry him, Merry him" とはやし立てる中、彼女は結婚を承諾したのだった。

 ちなみに、このプロポーズには10万元($15,600相当)かかったそうだ。円高の今の相場($1=76~77円)で換算して120万円くらいか。


  BBCの記事
    Chinese man in 'dancing carrots' wedding proposal

  検索して見つけたビデオ付きの記事(このビデオも料金のうちなのでしょうね)
    Chinese Man Proposes to Girlfriend, Backed by Giant Dancing Carrots

 ビデオを見ていると何となくやらせっぽくて。彼女は赤いワンピースでまるで撮影されることを前提にしていたようなのですね……。
 前に書いた愛のミュージカルのように、後々まで思い出に残るビデオになるのでしょうね。

2011年7月19日火曜日

フィリピンの英語

 昨年、フィリピンに旅行した話を飲みすぎ注意という記事に書きました。
 アジアには多くの旧イギリス植民地がありますが、フィリピンは旧アメリカ植民地。現在も多くの労働者をアメリカに送り込んでいます。英語についていえば、フィリピンはアメリカ英語が優勢。
 私が泊っていたマニラのホテルでも、フロントの女性陣はみなさん見事な英語(アメリカ・アクセント)を話します。(英語は見事でも、事務はイマイチなところもありましたが)
 街中の一般庶民が「見事な英語」を話すわけではありませんが、シンガポールのように英語だか中国語だかわからん言葉をマシンガンのように投げかけれられることもない。ある程度の教育を受けた人はアメリカ人になじみやすい英語を話す、といえばいいのでしょうか。
 その英語を武器にアウトソーシングに食い込んで行こうというフィリピン。

   The Philippines: The world's hotline

2011年7月18日月曜日

ずる休み

 いや、あたしも調子に乗って飲みすぎるタイプなのでねぇ。イギリス人3人に1人が嘘をついて会社を休んだ経験があるというのだが、もっと大勢いるのではないかと疑問に思ってしまうのですね。

    One in three workers 'admits to skiving', survey suggests

 記事のタイトルにある"skiving"という言葉は初めて見るのだが、たぶん skipping(さぼり)を風邪をひいて鼻が詰まった風に発音したつもりなのでしょうね。

 記事中に紹介されている下手な言い訳の例で、「ペットを病院に連れていくので休みます」と会社に連絡した話が出ている。同じ人が以前「ペットが死んだ」という理由で休んでたそうな。

2011年7月7日木曜日

反原発ソングス

 ニューヨークタイムズで紹介された日本の反原発プロテストソング。

   Japan's New Wave of Protest Songs

BBCのGLOBAL NEWS(ポッドキャスト)が同じテーマでピーター・バラカンのインタビューを放送していたので、検索したのですがテキストの記事が見つからなかったので、文章はニューヨークタイムズから引いておきます。
 日本国内ではよく知られている話ですが、RCサクセションのCD「カバーズ」を東芝EMI(当時)が発売しなかった件にもふれています。
 
In 1988, two years after Chernobyl, the band released its album “Covers” independently after the band’s record label, Toshiba EMI, whose parent company built nuclear plants, would not. (中略) The company took out a newspaper advertisement to explain its decision, saying that the songs were “too great to release.”

チェルノブイリ事故から2年後の1998年、RCサクセションは「カバーズ」をインディーズアルバムとして発表した。RCサクセションが所属している東芝EMI(親会社は原発施設を建設している東芝)から発売されなかったからだ。(中略)東芝EMIは新聞広告で「素晴らしすぎて発売できません」と発売中止の理由を説明した。

 そんなに素晴らしいのなら、ということで当時の私はCDを買いました。

横領?

 そういえば、前にこんな記事を書いたなぁ、などと思いつつ。

  Businessman quits amid China Red Cross scandal

 中国赤十字社のマネージャと称する20歳の女性が、高級車や高価なハンドバッグをブログ上で自慢したことから、「赤十字への募金を横領しているのでは」と疑惑が広がった。
 中国赤十字社は「ただの作り話(pure fantasy)で、彼女は赤十字社とは無関係」と否定しているが、彼女の恋人である職員を「赤十字社への信頼を傷つけた」という理由で解雇している。

ドンクラ

 レオポンとかライガーとかいうのもありましたが……。

   Rare zebra and donkey cross-breed born in China

 中国発のこの動物はドンクラ。お父さんはロバ、お母さんはシマウマの混血。
 なんだか、名前がよくない。(ボンクラ、とか思ってしまう)

 ちなみに、検索しているとこんなのもありました。(アメリカ)

   Rare zedonk born at US wildlife reserve

 ゼブラとドンキーの混血でゼドンク。(やっぱりゴロが悪い……)
 この子の名前はピッピ。しましまの足が「長くつしたのピッピ」みたいなのでそう名付けられたそうな。

2011年7月4日月曜日

懐かしい革命

 革命期(国共内戦)を体験する "red tourism" が中国ではやっているのだそうな。

  China's 'red tourism' makes revolution fun

  China's Communist Party: 'Red tourism' in Yan'an

2011年6月20日月曜日

食べちゃうぞぉ~

ライオンを見物に来た親子。

ガラスの向こうのライオンは、こどもがおいしそうなので、引き寄せて噛みつこうとするのですが…。


Lioness tries to eat baby through glass zoo enclosure

ライオンが手を振ったり口を開けたりするのを、こどもは喜んで見ています。

2011年5月24日火曜日

ぼろすぎるバス

 このビデオのバス、公道を走っていたのだそうな。

China: Is this the world's most dilapidated bus?

中国での話。あまりのボロさに、交通安全上問題ありと判断した警官によって、停止させられたという。

運転手によると、交通事故で修理が必要なのだが、修理を安上がりにすますために友人の修理工場に持ち込もうと、長距離(hundreds of miles)移動中だった。

2011年5月23日月曜日

誰が悪いのか!

 地震や台風・干ばつなどの自然災害に比べて、戦争や内乱の被害には寄付金が集まりにくいのだそうな。

Donors play 'blame game' with disaster victims

自然災害は天災だが、戦争や内乱はいわば人災。被害に遭っている人たちにも一端の責任がある、という心理が働くものらしい。

また、自然災害ならばいつでも同情を集めるものでもない。

パキスタンは2010年、広範囲にわたって洪水という自然災害に遭ったが、(対アフガニスタンの関係やクーデターによる)「悪いイメージ」があり、同じ洪水が他の国で起きた場合ほどの支援が集まらなかったという。

Pakistan, for example, suffered a huge natural disaster when floods hit much of the country in 2010.

But a senior source in the Western aid world said: "The country has an image problem so people didn't give as generously as they would have done if the floods have happened elsewhere."

2011年5月5日木曜日

Nanaになりたい?

流行と少々ずれているおのぼりさんは、こんなのを見つけました。

Nana

2011年4月10日日曜日

嵐を呼ぶカップル?

 タイトルは「不運な新婚旅行者、次々と自然災害にあう」。
   
    Unlucky honeymoon couple encounter several natuaral disasters

 オーストラリアでは干ばつによる火災とサイクロン。バリ島では大雨。地震後のニュージーランドに入り、その後東京へ。
 レストランで食事中に地震に遭う。自然の力をまざまざと感じたということで、もっとも印象に残る体験だったという。

2011年3月8日火曜日

未来図

 病気療養中のアップル・ジョブズCEOが登場した、iPad2の発表イベント。

Apple Events

上のリンク先の "Apple Special Event March 2011" が今回のプレゼン。

少しやつれた感じはするものの、ジョブズ氏のプレゼンは見事なものです。
iPad2を急いで買う気はないですが、初代iPadが安くなれば、買ってもいいかな。その前に、iPhone かな、などと煩悩(物欲)に悩んでいます。 

--
【余談】
ブログのネタとなる英文記事は、たいてい初代のiPod Touch で通勤中に読んでいます。
ネタになりそうな記事にはスター(☆印)をつけて、記事は家に帰ってから書いてます。
Bylineというアプリで出かける前に記事をダウンロードして、電車の中で読んでいます)

払い過ぎ

ATMの誤動作でお金を払いすぎてしまったという話。

Sydney cash machine glitch gives customers extra money

オーストラリアのコモンウェルス銀行のATM40台ほどが、誤動作でお金を多く払いすぎてしまったという。
もっとも、ATMでの操作や出金はすべて記録が残っており、銀行は過払分の返還を求めていくとのこと。

2011年2月26日土曜日

ネトゲ廃人の先

中国。3昼夜に渡ってゲームを続けたゲーマーが死亡したという記事。

Chinese online gamer dies after three-day session

スピード落とせ!

オーストラリアの町、Speed が町名を SpeedKills に変えたという話。

Australian town becomes SpeedKills in safety campaign

交通事故防止のため、スピードを落とそうと呼び掛けるのが改名の趣旨。

ちなみに現地の農家の Phil Down さんも Phil Slow Down に改名。なんだか「のろまのダウン」さんに読めなくもない。勇気のある改名かもしれません。

2011年2月9日水曜日

民間活力

 カンボジアで、トイレの普及のために民間の力を活用する取り組み。

Mixing toilets with profit in Cambodia

 NGOなどが無償でトイレを作っても、ただのものはありがたみも薄く、大事にされない。それが簡易トイレを「売る」というビジネスにすると、売る側も真剣、買った方も大事にするというもの。

2011年2月8日火曜日

極悪な金利!

 イギリスで、金利を規制する法案が議論されているのだが、すさまじい金利が記事に表れている。

[I]n some cases, interest was the equivalent of 10,000%.
Call for cap on high-cost credit

 これは金利規制法案の急先鋒、Stella Creasy労働党議員の発言。

 もちろん年利換算の数字で、短期間に返せばそこまでの利子はつかないのでしょうが、闇金などという言葉を連想するようなとんでもない金利です。